花柄のイエローキャブがニューヨークの街角に現れたのは9月に入ってからである。はじめのうちは、たまたま見かけたイエローキャブだけそうなのかな、と思っていたが、日に日に花柄のイエローキャブの台数は増えていき、今では何台かに1台は花柄、というぐらい多くなってきた。ただでさえ黄色で目立つというのに、ビビッドな花柄模様になってますます目を引くようになった。
ユニオンスクエアで見かけた花柄イエローキャブ。
これは何かのプロジェクトなのかな、と気になって調べてみたところ、イエローキャブ誕生100周年を記念して今年いっぱい花柄模様にドレスアップされることになったという話だった。そしてこの花柄模様、ただのアートではなくたくさんの人々の思いがこめられているということがわかった。
この花柄模様、Garden in Transitというプロジェクトで、Portraits of Hopeという非営利団体が運営しているボランティア活動のひとつだそうだ。この花柄の絵を描いたのは30,000人を超える学校や入院中の子供たち。Portrait of Hopeのこの活動は病気でふさぎこんでしまった子供達を励ます目的で開始された。自分の病気のことばかり考え悩んでいる子供たちに、絵を描くことで自分の病気以外のものに目を向け、前向きにがんばってもらいたいという気持ちがこめられている。このプロジェクトでは、車椅子や松葉杖、または手足が不自由な子供達など、普通に絵を描くことが困難な子供達も絵を描くことができるよう、特別なツールやブラシも用意された。子供達も、自分の描いた絵が街中を走り回っているのを想像するだけでもきっとワクワクしたに違いない。今日は自分の描いた花はどこを走っているんだろう・・・?!アッパーウエスト?ブルックリン?それともウォールストリート・・?!などと考えているのではないだろうか?何万人もの人に見てもらえるなんて、アーティスト冥利に尽きるというところだろう。その名の通り、走る花畑、ガーデン・イン・トランジット。
接近して見た花柄はこんな感じ。
ところでこの花柄模様だが、イエローキャブのボディに直接描かれたものではなく、防水性の特殊なシートに絵を描きそれを貼り付けたものだそうだ。私も話をはじめ聞いたとき、どうやって子供がタクシーに絵を描くんだろう・・・と思っていた。現在は、絵を描く工程は終了し、花柄のシートをイエローキャブに貼り付けるボランティアを募集中とのことだ。募集要項を見ると、手先の器用な方、手作業をこれまでにしたことがある方優先というようなことが書かれてあった。絵も下手で手先も不器用な管理人は参加したくてもできなさそうである。


